大阪市が全職員に労働組合活動について尋ねたアンケートをめぐり、職員29人と五つの労働組合が市などに計約1400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、大阪高裁であった。
中村哲裁判長は、一審大阪地裁に続いてアンケートは違法と判断し、市の賠償額を計40万円から計約80万円に増額した。
中村裁判長はアンケートの五つの設問について、プライバシー権や団結権に加え、政治活動の自由を侵害すると判断。過度に広範で、労組活動や政治的行為に強い萎縮効果を与えるなどと述べた。
アンケートを作成した野村修也弁護士に関しては、一審は賠償を命じていたが、公権力の行使に当たる公務員として民事上の賠償責任は負わないとした。
大阪市の黒住兼久人事室長らは「主張が認められず遺憾。判決の詳細を精査し、対応を検討したい」とのコメントを出した。