鎌倉市職員労働組合

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「意見書」神奈川自治労連弁護団

2014年9月24日


2014年9月24日

意見書

鎌倉市長 松尾 崇 様
鎌倉市議会議長 中村聡一郎 様

横浜市西区宮崎町25市従会館3階 神奈川自治労連内
神奈川自治労連弁護団 団長 堤 浩一郎
TEL045-262-0421・FAX045-262-0485

第1 意見の趣旨

 鎌倉市議会が、鎌倉市長が9月定例会に上程した「鎌倉市職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案」について、附則において定められていた激変緩和措置を削除する修正を行うことは、鎌倉市議会の議決権の範囲を逸脱するものであり、違法の疑いを強く有するものである。

第2 意見の理由

1 鎌倉市長が9月定例会に上程した「鎌倉市職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案」(以下、「条例改正案」という。)は、鎌倉市職員労働組合及び鎌倉市職員労働組合現業評議会と鎌倉市長との間で交渉を重ね、合意に達した内容に基づき、その合意を実施するために作成されたものである。
  ところが、去る9月12日、鎌倉市議会総務委員会は、条例改正案の附則において定められていた激変緩和措置を全面的に削除する修正案を可決した。

2 そもそも公務員であっても憲法28条が保障する勤労権を有し、これに基づいて地方公務員法は非現業職員について職員団体の結成と当局との団体交渉権を認め、地方公営企業等の労働関係に関する法律は現業職員について労働組合の結成と当局との団体交渉、さらに労働協約の締結権を認めている。
  このような憲法上、あるいは法律上の権利に基づき、鎌倉市職員労働組合及び鎌倉市職員労働組合現業評議会は鎌倉市長と交渉を重ね、合意に達したのであり、鎌倉市長には合意を誠実に履行することが当然求められるところである。
そのため、鎌倉市議会が条例制定権を行使するにおいても、労使合意を最大限に尊重することが求められるのであり、労使合意の内容に明らかな法令違反が認められるような場合でもない限り、労使合意の内容を修正することは許されない。

3 今回の労使間の合意では、給与削減の実施を段階的に行う激変緩和措置は、職員の生活を保障するために不可欠の措置であり、合意の根幹をなすものである。現に、大幅な給与削減が実施される場合において、職員の生活の保障を図るため激変緩和措置を設けることは、国あるいは多くの地方自治体において通常の措置として行われている。
その激変緩和措置を全面的に撤廃する修正を鎌倉市議会が行うことは、労使合意そのものを否定し、職員が有する団結権、団体交渉権を侵害する行いであり、全国的にも類例を見ない暴挙に他ならない。

4 仮に、激変緩和措置を全面的に撤廃することになれば、最も減額の大きい職員で率にして約17.9パーセント、年収にして約143万円もの大幅な賃金の削減となり、約100名の職員が率にして10パーセントを超える給与の削減を強いられることになる。
このような大幅な給与の削減を大規模に行うことは、労働基準法91条が労働者に対する減給の制裁を定める場合であっても、賃金の総額の10分の1を超えてはならないと定めていることからすれば、法的に許容される範囲を逸脱するものとなる。そのため、給与の削減を行う際に求められる、給与削減の必要性・合理性を認めることは到底できない。

5 以上のことから、鎌倉市議会が条例改正案に対して、激変緩和措置を全面的に撤廃することは、市職員の団結権、団体交渉権を侵害するものとして手続的に許容されないことであるとともに、約100名の職員に対して10パーセントを超える給与の削減を強いるという内容面からも、議会の議決権の範囲を逸脱するものであると言わざるをえない。
よって、神奈川自治労連弁護団としては、頭書記載の意見を表明するとともに、鎌倉市議会に対し、労使合意を尊重し、附則において定められた激変緩和措置を含めて、条例改正案を議決することを強く要望する。

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