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組合事務所問題 和解成立

組合事務所の問題で市長が組合を相手に平成28330日付で横浜地方裁判所に起こしていた訴訟について、10月19日に和解が成立しました。

訴訟に先立ち市長が建物明渡の仮処分申立をした際に、地裁が提案していた和解案を市長が拒絶し、仮処分申請は却下されていましたが、その後に市長から組合に対して和解案に近い条件で組合事務所移転の提案があったため、組合は613日に、これまで組合事務所として使用していた建物を明渡しました。しかし市長は、組合が使用許可期間を超えて建物を使用していたことについての損害賠償請求(請求額 195万円)を継続していました。これに対し組合は、建物の使用許可をしなかったことが不当労働行為であり違法であると主張してまいりました。

地裁は鎌倉市及び組合に対し、本件に関する事実認識及び法的見解に食い違いがあるものの、本件訴訟の経緯、事案の性質など諸般の事情に鑑み、紛争の早期かつ円満な解決のため、8月29日に和解を勧告していました。和解勧告の条項は以下のとおりです。

 

被告らは、原告に対し、本和解金として連帯して20万円の支払義務のあることを認める。

被告らは、原告に対し、連帯して前項の金員を本和解成立時から1か月以内に支払う。

原告及び被告らは、本件訴訟について円満に解決したことを相互に確認する。

 

(和解条項において、「原告」は鎌倉市、「被告ら」は組合を指します。)

 

組合としては、適切な移転先を提示しないままに本件建物の使用不許可処分をしたことが不当労働行為であり、違法であるという認識で、損害賠償請求の根拠は無いと主張してまいりました。地裁の和解勧告は、使用不許可処分と組合による建物使用の適否の判断を相互に棚上げし、損害賠償ではなく和解金としての支払いとするものです。

組合としては、和解内容に満足するものではありませんが、紛争を早期かつ円満に解決して労使関係の正常化を目指す観点から、和解勧告の受け入れを決めました。鎌倉市も市議会の承認を得て和解勧告を受け入れました。これを受けて、地裁において和解が成立したものです。

組合は現在、神奈川県労働委員会に事務所問題のほか、二つの申し立てを行なっています。これらの事件は、不当労働行為であり、憲法に規定された労働基本権を蹂躙するものであると考えています。

自治体労働者の組合として、憲法や労働法が蹂躙されるのを見過ごすわけにはいきません。また、市民のために良い仕事をするためには、労働条件の安定が必要であり、そのためには、労使関係の正常化が不可欠です。労働委員会では、市長や市議会の不当労働行為を訴え、中立な判断を仰いでいます。

事務所の追い出しについては、不法占拠を問われる事なく、一件落着しました。しかし、争いは続きます。この二つの事件は、まだまだ時間がかかる事が予想されます。引きつづくご支援をお願いします。