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県労委の三者要望書について

神奈川県労働委員会は、組合事務所の移転問題について12月7日付け「三者要望」を発しましたが、「三者要望」の位置付けについて解説します。

要望書は、実効確保の措置勧告に限定せずに機動的に対応する方法として、各労働委員会が工夫をしながら運用しているものです。

労働委員会規則第40 条の規定による勧告は行わないが、審査の実効を確保する観点から、正式な勧告以外に、審査委員名あるいは三者委員連名によって、勧告、要望、見解表明等が行われています。

 これは、労働委員会規則86条に基づいて設置されている全国労働委員会連絡協議会の小委員会である「労働委員会活性化のための検討委員会」において推奨されている手法であり、決してその労働委員会の会長の独断で行った私的な要望ではありません(平成23年6月 同検討委員会 第2次報告書 36ページ以下参照)。

 なぜこのような方法を取っているかといえば、審査手続き中に正式な勧告を出すと、本案の判断について当事者に予断を与えてしまうおそれがあるからです。(要望書は、もう少しやんわりと警告を発するイメージでしょうか)報告書では、勧告については慎重な対応を求める一方で、当事者の意見等を十分に聴取した上で、審査委員名、三者委員連名等により、書面もしくは口頭の要望等を行い機動的に対応していくことが求められています。

以上のように、今回、神奈川県労働委員会から発出された「三者要望」は、公の機関である自治体であればなおのこと、その重みを十分に受止めて適切な対応をすることが強く求められるものです。